2014.03.24

気仙沼勝手に応援団 vol.10 ~けむり 新宿店~

けむり

「最近色んな町の串焼屋に気仙沼ホルモンののぼりが立っている!」
友人からそんな噂を聞きつけて調べてみると、のぼりを掲げる店舗は府中に本店がある「炭火串焼 けむり」というお店系列だということが分かった。
私が住む町にも店舗があったので、友人を連れて早速リサーチ。聞けばオーナーが亀山精肉店の故・柴田晃祐さんの友人というご縁だそうだ。名前を聞き一気に涙があふれそうになった。

気仙沼で古くから続くお肉屋さん 亀山精肉店。
私の同級生でもある長女の静佳さんは、高校卒業後に上京し、東京で出会った静岡出身の晃祐さんの猛アタックにより恋に落ちる。
皆から愛される2人はその後多くの友人から祝福され結婚、同時に晃祐さんは静佳さんの実家がある気仙沼に帰り、肉屋を継ぐことを決意する。ゾッコンだった。

友達が一人もいない町で暮らしはじめ、慣れないことだらけだったが2人の子宝に恵まれた。
仕事でも気仙沼ホルモンのパッケージを考えたり、販路を拡大したり、新しいタレを開発したりと精力的に頑張っていた矢先の震災だった。
その日晃祐さんと祖母のさかえさんは帰らぬ人となった。当時2歳だった愛娘のニコちゃんは3年経ってもまだ見つかっていない。

取材に応じてくれたのは、けむり新宿店の高橋店長。さわやかな笑顔が印象的だ。
聞けば取材の1週間前にも、静佳さんが東京出張の帰りに店舗に挨拶に来ていたそうだ。
「明るくてすてきな女性。オーナーから事情は聞いていたため、その笑顔の強さに驚いた。何にもできないけど応援することだけは続けていきたい」と高橋店長は語る。

オーナーさんは「彼の想いを生き続けさせたい」と、震災後全店舗で気仙沼ホルモンをメニュー化したという。
あの日から3年。男の友情は東京からけむりをあげ続ける。
もしみなさんの街の近くで「けむり」を見つけたら、ぜひ亀山印の気仙沼ホルモンを召し上がってみてください。

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